シカゴ・オヘア空港(ORD)の乗り継ぎについて
空港の概要
正式名称はChicago O’Hare Internaitinal Airportで、3レターはORD。
シカゴのダウンタウンからCTA Blue Lineに乗っておよそ1時間程度の郊外にある空港で、ユナイテッド航空(UA)の本部空港にあたり、アメリカン航空(AA)のハブ空港でもあります。
ターミナルは全部で4ターミナルあり、日本を含む外国からの到着便は基本的に全てターミナル5に到着します。
概要は早々に切り上げ、本題に入っていきましょう。
日本での準備段階においてできること
出発以前にこの地獄とも形容される乗り継ぎの難関を緩和する方法はいくつかあります。
乗り継ぎ時間に余裕を持たせる
当たり前のことですが、余裕があるに越したことはありません。
ORDに午後に到着する便の場合は、乗り継ぎの時間は最低でも2時間が絶対条件です。
冗談だと思うかもしれませんがひたすらにガチです。
最後に体験記をまとめますが、これまで僕はこの空港を4回利用したうち2回乗り継ぎがありましたが、うち2回乗り継ぎに失敗しています。つまり失敗率100パーセントです。笑
1回目はオーランドへの乗り継ぎ時間:2時間30分。
この日は地獄絵図。
半泣きの日本人も何人かいたし絶望した表情の外人もたくさん。
ただでさえこの日は寒くて寒くてターミナル間移動の待ち時間も相当な苦行でした…結局シカゴに宿泊して翌朝便へ振替となりました。
2回目はトロントへの乗り継ぎ時間:1時間25分。
この時点で敗北が約束されている乗り継ぎ時間ですが、ORDのプロとして乗り継ぎチャレンジというか、もはやネタとして予約取りました。(結果的に乗り継ぎ便の遅延で予定通りのフライトには乗れましたが、保安検査抜けたのが出発5分前だったのでやはり失敗という結果)
詳細はこの記事の最後の乗り継ぎ体験談をご覧ください。
荷物を預けずに最低限にして機内に持ち込む
どうしても、乗り継ぎ失敗できない予定の時などの最終兵器、荷物を預けずに機内持ち込みサイズに収める方法。
これならば荷物のピックアップと再預けの時間を短縮できるので余裕がない中でも多少余裕を持って動けるかと思いますが、まあビジネスとかでない限り、荷物を減らすにも限界があるのであまり現実的ではないでしょう。
降機から入国審査まで
ORDは世界最大級のハブ空港ということもあり、国際線の到着が非常に多い空港です。離着陸の数が世界一だった時期もあります。
ORDの海外からの便は全て同じターミナル5への到着です。
そのため、到着の多い夕方の時間帯はかなり混み合います。成田夕方発のユナイテッド航空(UA)便とANA(NH)便でシカゴへ向かう方は乗り継ぎ難易度がかなり高くなりますので注意が必要です。
降機後は、便にもよりますが、広大なターミナル内を5〜10分ほどエスカレーターを降ったりしながらArribalの表示に沿って進みます。
たどり着くと既に列が形成されているはずですが、ここで日本からの旅行者の皆さんは基本的に「ESTA」と書かれたレーン(一番右側)に並びましょう。
いつもそうだとは限りませんが、基本的に左から学生ビザ、米国・カナダ国民、ESTAでの渡航者に分かれていますのでお間違えないように。
またこの際、入国審査の優先レーンなどは存在しませんのでお気をつけください。
列を進むと、端末が20台ほど並んでいるので渡航情報を登録、顔写真を撮影後出てくる紙っぺらを持ってもう一度審査の列に並ぶという流れになります。
この時複数人での渡航ならば1人が列に並んで置いて、他の人が順番に端末で発券するのが本当にオススメです。一旦端末のところで列が崩れるので、モタモタしていると余計なタイムロスにつながりますのでお気をつけください。
入国審査は問題なければ特に何も質問されませんが、入国管理官同士が談笑したり、コーヒー飲みながらドーナツを食べたりという光景はデフォです。
急かしたところで無駄なので悪あがきはやめて、並ぶ他ないのです…
ここで係員にプラチナステータスカードを見せながら、「乗り継ぎ便に間に合わないんだけど??」と困った顔をして助けを求めたことがありますが、知らん顔されて「いいから並んでくれ、みんな並んでる」と言われたのでとにかく平静を装って並ぶほかありません。
入国審査を終えて無事入国できたら
アメリカでの乗り継ぎの面倒なところの一つに、乗り継ぎ地での荷物のピックアップがあります。
入国審査を終えて出たところが荷物の回転台ですので、忘れないようにピックアップして出口へ向かいます。
回転台の出口のところで再度チェックがあります。
ここで先ほど端末で出した顔写真付きの紙っぺらを渡します。
ここでは特に何の質問もされません。出口を出ると、ユナイテッドとアメリカンの乗り継ぎカウンターがありますのでここで荷物を預けなおします。
搭乗券とパスポートはここで再度必要です、荷物を預けたら次はターミナル移動になります。
ここまでで、だいたい6割終了。
この時点で1時間以上乗り継ぎまで残っていれば、間に合う可能性が高いですが、30分程度の場合はかなり厳しいと認識してください。
ターミナル間移動は乗り継ぎでは必須となるのですが、なんと不運なことに2019年の秋までターミナル間移動のモノレールのようなもの、ATSがメンテナンス中です。
そのため24時間運行のシャトルバスに乗りますがこの列がえげつないです。
出口を出て右側に行くと恐らくすでに列があるはずですので並びます。(実質これの影響で本来よりも30分程度所要時間が増加していますので、秋以降はだいぶ今よりは楽に乗り継ぎができるようになるかと思います)
並んでいると外のテントみたいなところに列が続き、その列の先がバス乗り場です。自分の乗り継ぎ先のターミナルを確認して乗り込みましょう。
投稿時(2019年)は上記の問題で通常時以上にカオスでしたが、2021年現在は基本的に通常運行していますのでこちらのATSを利用してください。
乗り場は到着階正面に階段もしくはエスカレーターがありますので、それに乗るだけです。
もしも、メンテナンスなどでATSが運行していない場合は、同じようにシャトルバスでの移動となりますので、到着出口を出て右側にあるバス停から行き先ターミナルを確認してご乗車ください。
乗り継ぎ先のターミナルに到着したら
ターミナル5から自分の乗り継ぎ先のターミナルに到着したら、すぐに保安検査場を探しましょう。SFCやJGC含めマイレージプログラムのステータスを持っている方は優先レーンから入れます。
ユナイテッド航空に乗り継ぎの場合はターミナル1を入った左奥に優先レーン「Gold Track」がありますので券面に「Premier Access」と書かれている方はこちらで保安検査を受けてください。
アメリカは日本よりも色々とうるさいので、靴を脱ぐ準備や上着も脱いで置いて、少しでもかかる時間を減らせるようにしましょう。
実際、身体の不自由な人の優先レーンと併設なので、優先レーンだからと言って、通常レーンよりも格段に早く保安検査を終えることができるかと言われると微妙な場合が多いですし、優先レーンだからと言って特別扱いなどは全くありませんし、検査官がニッコリと「Welcome!!」と言ってくれることもありません笑
海外で日本人に必要なのは、間違いなく「おおらかな心」と「忍耐力」だと毎度実感させられます。
どうしても乗り継ぎに間に合わなそうな場合の対処法
シャトルバスの列に並んだ時点で搭乗まで1時間を切っている場合は迷わず前に並んでる人々に協力をお願いするしかありません。
空港の職員は全くと言っていいほど協力はしてくれません。(ある意味フェアです)
その際に使える英語のフレーズをいくつかご紹介します。実際に自分は多くの方に協力していただきましたし、丁寧に「自分も同じ状況だから」と断られたことはありますが、嫌味や文句を言われたことなどはありません。
日本の感覚でいるととても言い出せないことかもしれませんが、勇気を出して発言してみれば、いい結果に繋がるかもしれません。
Excuse me, We’re about to be late, can you help us?
「飛行機逃しそうなので助けてもらえませんか?」というフレーズ。
この他にもチケットを見せながらWe have no time, sorry!!とかでも伝わります。
文法的に正しい正しくないとかはどうでも良いのでとにかく自分の状況を伝えることが必要です。
時間に余裕がある方は笑顔で「Sure.」と譲ってくださいます。
逆に同じような状況の方からは「俺も同じだ」と言われますが、別に文句は言われません。
これは乗り継ぎターミナルの荷物検査でも同じことができますので間に合わなそうなら使ってみましょう。
また、逆に困っているお客さんから尋ねられて自分の乗り継ぎに余裕がある場合は積極的に譲ってあげましょう。
残念ながら乗り継ぎを失敗してしまった場合
振替便の手配
こ湖までのステップを踏んでも、残念ながら乗り継ぎに失敗してしまった場合はすぐに自分の搭乗予定だった航空会社のカウンターへ行って振替え便の手配をお願いしましょう。
慌てていても、逃した飛行機はどうしようもありませんので、混雑する前にカウンターへ行きましょう。
時間や混雑状況などによりますが、基本的に当日中の逃した次の便に振り替えてもらえます。
既存便が満席もしくは逃したフライトがその日の最終フライトだった場合などは翌日への振替になります。
この場合はホテルの手配について確認を必ずしましょう。僕が逃した時はホテル予約の際に使えるディスカウントチケットをもらえました。(友人がアメリカン航空で同じような状況になった時に何の説明もなく、チケットももらえなかったと言う話を聞いたことあるので、キャリアや予約クラスなどによって違うかもしれません)
預け直した荷物の所在の確認
もう一つ確認しなければならないのが、入国審査後に再度預けなおした自分の預け荷物の所在です。
搭乗予定の便に乗って、荷物だけは先に目的地にあるのか、それともシカゴで受け取って、振替便で再度預けるのかを確認しないとロスバゲする可能性が高くなりますので、必ず確認しましょう。
僕がオーランド行きのフライトを逃した際にはカウンターで確認したところ、「乗る予定だった便に積んであるから、明日の振替便でオーランドに到着した時にオーランドの手荷物カウンターで受け取り作業をしてくれ」と言われたので、特にシカゴでもう一度荷物を受け取るなどと言ったことは起きませんでした。
僕のORD乗り継ぎ失敗体験談
1回目の失敗:オーランドへの乗り継ぎ(乗り継ぎ時間2時間30分)
2019年1月。WDW(ウォルト・ディズニー・ワールド)へ行くための旅程で起きたハプニング。
大学3年次にシカゴに約3ヶ月、語学留学でホームステイを行なっていたこともあり、シカゴは僕のAnother Skyだという自負を持っていまして、空港もある程度構造が把握できていたので、いくら地獄のORDも僕にかかれば余裕ですよと思っていたわけです。
実際2時間半もあれば、本来は余裕で乗り継ぎできるだけの時間ですしね。
入国審査まではスムーズに行けたんですよ。
しかし、出たところのバス列がどうもおかしい、列がなぜか2列存在していたんですね。
ただまあ、ある程度列整理をしている係員はいるのでまあ大丈夫だろうと並んだんですが、やけに進まない。周りの外国人も異変に気づき始めます。
列が広がったせいでどさくさに紛れて横入りを平然としてくるアジア人がいるわけです。
そう、ご存知、日本人と中国人。
アジア人以外は基本的に「おい、最後尾はむこうだ」と言われると「まじかよ」と言いながらちゃんと列に並び直すんですが、アジア人は何食わぬ顔して留まります。
思わず隣のアメリカ人のおじさんと一緒に英語で汚い言葉を並べてしまいました。
とにかくルールを守りましょう。
何か起きた際に助けてもらえなくなりますよ本当に…何度日本人グループの「いいよいいよ、並んじゃいな」という言葉を聞いたことか…本当に恥ずかしいのでやめてくださいね。
とまあ色々あって最後は優しい皆さんに助けてもらいながら乗り継ぎのターミナル1に着いたのが20分前。
無理ですね。
まあいちよ頑張ろうということで「Gold Track」を通過した時には出発時間ちょうど。
諦めてのんびりと約1年ぶりのORDを満喫しつつ、ユナイテッド航空のカウンターへ。
「バスが混んでて逃しちゃったよ」というと、すぐに明日の航空券とホテルのディスカウントチケットを手渡されました。
残念ながら我々の搭乗便はこの日のオーランド行きの最終便だった模様…
早速、ホテルを電話で予約しようとするも、ORD近くのホテルは割引できるところが結構空港から離れているということだったので、翌朝早い便ということもあり、断念。
早々に空港隣接のホテル「Hilton O’Hare Airport」を予約しました。
と言っても1部屋9000円くらいなので空港からこの距離で一人5000円もせずに泊まれるのはありがたいことです。
この日の夜は本来、ディズニーホテルに宿泊予定だったのでとりあえずディズニーホテルに電話をかけて「飛行機を逃して明日に振り替えになったから今日はいけないが、予約のキャンセルはしないでほしい」と伝えたところ「気にせず明日気をつけて来てくださいね」といってくれたので一安心。
無断キャンセルなどにならないためにも念の為連絡することは海外でも大切です。
気を取り直して、ツレにシカゴを案内してやるよと言ってホテルに荷物を置いて電車へ。
道中当時のホストファミリーに連絡して「乗り継ぎ失敗したから遊び行っていい?」と聞くと「当たり前だろ!!待ってるぞ!!」と来たので気分は最高。
久しぶりの第二の我が家へ帰り、夜は本場のシカゴピザをto goしてホテルに戻り、翌朝7時の便で無事にディズニーが待つオーランドへ到着しました。
この時カウンターで「荷物は本来の搭乗予定の便でオーランドへ到着するから、振替便で着いた時にオーランドのバゲッジクレームで受け取ってくれ」と言われていたのですが、到着すると存在せず、係員に聞いても困り顔。
すると、一人の係員が「ディズニーの予約は紐づけてあったか?」と聞いてきたので「もちろん、かつ昨日の夜に飛行機を逃したことも電話でフロントに伝えたよ」というと、納得した顔で、「ディズニーのホテルにもう持っていってあるよ」と言われました。
空港とディズニーの連携とホスピタリティやべえだろ…と思いながらホテルでチェックインの際に確認すると「昨日部屋に運んでおいたよ」とのこと。神かよ…
乗り継ぎ失敗した夜のシカゴでの模様やWDWに関してはそれぞれ記事を書くので、乞うご期待。
2回目の失敗:トロントへの乗り継ぎ(乗り継ぎ時間1時間25分)
2019年3月。カナダ横断のスタート地点、トロントへの旅程で起きたハプニング。
これに関してはもはやこっちも遊び半分で、最短何時間で乗り継げるのかを試すために組んだフライト()
これを逃しても後ろに振り替え可能なフライトが1便あることも分かっていた上だったので、特に焦りはゼロのタイムアタック。
上につらつら書いたように連れとのタッグでいい感じに列をいなしてターミナル1への到着まで過去最速の1時間で到達。
しかし、ここからが遅い。「Gold Track」なのに大行列、何人かの方に譲ってもらうも、チンタラ靴を脱ぐお客さんやらなぜか2レーンあるのに1レーンしか動かさないセキュリティゲートやらに阻まれ、通過が出発5分前。
またダメだったか〜とニヤニヤしながらゲートを確認するとあら大変。
2時間のディレイ
こんなに急いだのに結局ディレイかよ!!と思いつつも失敗ではあるけど予定通りの便に乗れるということは半分成功だな?なんて思いつつラウンジでのんびり過ごして無事に2時間遅れでトロントに到着となりました。
こちらのカナダ横断についても後日、記事にしますので、乞うご期待。(2度目)
最後に
以上、シカゴ・オヘア空港(ORD)の乗り継ぎ攻略にまつわる話をたくさん書かせていただきました。
もちろん一番大事なのは、乗り継ぎ時間に余裕を持たせることなんですが、スケジュール上2時間以内での乗り継ぎをせざるを得ない場合は、多少の覚悟を持って乗り継ぎに臨む必要がこの空港にはあるということを頭に入れておくと良いかなと思います。
この記事は基本的にスターアライアンスの夕方到着便からユナイテッド航空への乗り継ぎの経験ベースの記事になりますので、キャリアによってはこんなに時間がかからないことも当然あると思いますし、時期などによっても大きく所要時間が変わることもあると思いますので、あまり焦りすぎずに、状況判断しながら乗り継ぎを行なっていただけたらと思います。
ORDは午後1時くらいから国際線の到着が増えて来ますので、かなり乗り継ぎが心配な方は、ORDに午前中に到着するフライトなどを選択されるのも良い手段かと思います。
細かい部分で気になる点などありましたら、お気軽にコメント、もしくはSNSからお問い合わせください。
最後まで閲覧いただきありがとうございました。