札幌「鮨しののめ」(令和4年4月訪問)

おすすめ度
予算:おまかせ12,000円〜
カード利用:可

なんか寿司が食べたくなって突然の日帰り寿司トリップを決行。春先ってそういう時よくありますよね。
この日伺ったのは円山公園の「鮨しののめ」。

17時から開店しているので、食べてから千歳に戻ってもちゃんと飛行機に乗れるのがありがたいです。18時スタートだと肴+握りだと東京に帰れなくなる可能性が出てきますので、この1時間の差は非常に大きいですし、一斉スタートじゃ無い点もこちらのお店の特長の一つです。
まあ、そもそも弾丸で寿司食って帰る人が稀有だと言う指摘はごもっともですが(笑)。

肴はカニ×菜の花、イカ×カラスミ。良い意味でスタートから一筋縄ではいかない感じです。特に北海道であれば素材力勝負に持ち込める環境なわけですが、この計算された一工夫がこのお店の人気を裏付けているように思えます。

中原大将は「試行錯誤中」とおっしゃっていたホタルイカの巻物の揚げ春巻き。ちょっと何を言っているか分からないと思いますが、この衣の中に海苔とシャリとホタルイカが入ってます。奇抜ですが、あまりにも美味しくて感動。海苔の長所である歯切れの良いパリッとした食感を完全に消してふやかすアイデアは佐賀県民は激怒しそうですが、衣の中で蒸されることで海苔の香りとシャリの酢の甘い酸味が口いっぱいに広がるあの感覚は絶対に味わってほしい…。思い返せば令和4年最も衝撃を受けた逸品はこれだった気がします。

甘鯛(確か)は皮がパリパリ、身は芯がレアめの絶妙な火加減。おろしがよく合うんじゃ。
あん肝は奈良漬けとともに。クセのあるもの同士、日本酒を掻っ攫っていきます。

蝦夷鮑は小ぶりですが、旨味が凝縮されてますよね、肝ソースも美味。
掻っ攫われた日本酒。北海道は上川の「三千櫻 純米R CLASS」さんぜんざくらではなく、みちざくらです。

ここから握り、イカとマスノスケ。ブリッブリの脂ノリながらくどく無い。北海道らしいタネは無条件で嬉しい。

キンメと中トロ。このトロは赤身に近く、脂よりも鉄に似た酸味が強くて私好みの味。

この日最高の握りはホタテ。シーズンラストに野付から最高の状態で届いたということで出していただきました。見ればわかるこのムキムキの筋肉質。回転寿司とかで大人しくシャリに被さっている帆立とはまるで違う攻撃的な弾力ある食感に驚き。ホタテの概念が変わってしまった瞬間です。

コハダとウニ。見た目通り美しく美味しい。改めてここのシャリの美味しさもすごい。写真で見ても良い粒立ちで完成されています。

中〆的な役割のヅケTKG、丼で食べたくなる後引く美味しさ。焼肉でユッケを食べる時のやり方。

〆の巻物はあなきゅうとかんぴょう。ちゃんと締まりました。

お椀はどでかいなめこがプリプリで美味しい赤出汁。玉はカステラ系でほんのり甘い。

お値段は飲み物込みで13,000円/人。大変割安に感じます。伝統の寿司に一家言ある方は何か言いたくなるお店なのでしょうが、美味しいものを食べるのに最も不要なものは、その凝り固まった舌と脳みそであることに早く気づけることを祈っています。
慣れ親しんだものとは違う食べ方で提供された時に身構えるのは当然ですが、そこで想像を超える味や食感に出会えた時、素直に「美味しい」と言える人が好きです。

「鮨しののめ」

住所:〒064-0801 北海道札幌市中央区南1条西22丁目2−15
電話番号:011-215-4144
アクセス:地下鉄東西線「円山公園」駅から徒歩5分程度。
Webサイトなど公式ホームページ
予約「食べログ」からネット予約可能


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